魔法×秘密


「ごめんって!ほんと!これから気をつけるから!な?だからそんなに怒るなよ、理子ね…先生!!」


理子先生は腰に手を当てやれやれとため息を吐いた。



「…分かったら早く席に座れ。愛莉も無駄な時間を取らしてすまないな。」

『い、いえ。私は大丈夫です。』






「あ、い、りちーん!!俺たち席前後みたいだよ!!」


星夜くんが後ろの方でぶんぶんと手を振っている
懲りない人だなぁ

あとあいりちんってそんなの初めて呼ばれたよ
笑い出しそうになるのを堪えて席へ向かう途中

ふと誰かの視線を感じて振り返ると机に頬杖をついている男の子がこっちをじっと見ていた。

黒い髪に整った顔だち

一瞬で目を奪われたのは間違いない

カッコいい……







「どうしたの?あいりちん?」


星夜くんに呼ばれて我に帰る


『ううん、何でもない!』

っと言いつつやっぱり気になるわけで、

もう一度見るとその人は持っていた分厚い本に目を戻していた。

本を読む姿は魔法学校だからかやけに様になっている


あの人、名前何ていうんだろう…?


そんなことを考えながら席に向かうと
彩月と星夜くんが何か歓迎会でも始まりそうな勢いで待っていた。

< 36 / 62 >

この作品をシェア

pagetop