ねずみ小僧次郎吉 ~猿と猿回し~
しかしそんな次郎吉でも、身に覚えのない盗みを咎められることは我慢ができなかった。

次郎吉の盗癖が知れ渡っている状態ではやむを得ない、自業自得ではあるのだが。

「大人になったら大金持ちになって、あの八百屋の親爺に、小判を何枚も叩きつけてやる!」

棒きれで殴られながら、次郎吉はいつも反芻(はんすう)していた。
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