ハナノナミダ
それから、私は花霧姉さんに少し部屋で休んできなと言われ、畳の少し小さな部屋を用意してもらった。
「……はぁ…」
私…やっぱり運がない…。
あいつが借金を作ってたって本当なの?
そもそも、あいつはまだ死んでもいないのに、娘の私に体を売って返済するつもりだったの?
でも…今の時代に吉原の遊郭があるなんて可笑しい。
私は…タイムスリップと言うのをしてしまったのか。
あの少女が私をこの時代に…?
そんなことを考えながら私は踞って深い溜め息を吐く。
…どうして私が吉原に来てしまったのだろうか。
体を売ると言うことは、男の人と…
「やだよ…知らない人何かとヤりたくない」
そう思うと、自然と涙が溢れ始めた。
普通に過ごしていただけなのに
いつもいつも不運ばっかり続いて、挙げ句の果てにはこうして見知らぬ世界へとタイムスリップしてしまった。
こんな楽しいこと1つもない世界
消えてしまえばいい。
「うう…っ…」