ハナノナミダ
痛い
「どうだい調子は。今から広間に言ってあんたのことを紹介する。
因みに、あんたの他にもう一人新しいやつがいるからそいつも一緒にね」
「は、はい」
「早くしなんし」
「は、はい!」
私は急いで準備をし、姉さんと一緒に広間まで歩き、特に話すこともなく着いた。
「あ、花霧!連れてきたのかい?例の新造」
「ああ。今から皆に紹介するさ、出てきな華。」
ふうーと息を吐き、緊張しながらも他の女郎達の前に出る。そこには姉さんが言っていた、もう一人の新しい人もいた。
「こいつが華。で、その隣が秋夜。」
「へぇ、二人とも可愛い顔してるじゃないか。」
「まぁ世の中顔だけじゃないんけどな」
女郎達がザワザワと喋り出す。
すると、広間に遣り手婆が入ってきたその途端、一気に周りがしーんと静まり返る。
「二人とも、ちょっと来な。」
遣り手婆は私達の手首を掴み強引に引っ張り、知らない部屋へと連れ出した。