ハナノナミダ
「…華ちゃん、堂々としてた…。あんなに痛いのに…」
俯きながら秋夜ちゃんは細々と喋る。
「私…凄いなって思った。もしかしたら、華ちゃんは怖がっていないのかなって…」
…そんな風に思われていたんだ…。
実際は凄い恐怖と不安で固まっていただけなんだけど…
「そんなことないよ。私、本当は凄い緊張してたし、怖いと思ってたよ」
「…そう…なの?」
秋夜ちゃんの問いに「うん」と微笑しながら答える。
私は…そんな強い人じゃないから…。
「…そっか。私、ここに来て凄く不安で堪らなかったんだ。でも華ちゃんみたいないい人がいてちょっと安心した…だから…私と友達になってくれないかな?……なんて」
ほほを染め恥ずかしそうに話す姿が、初々しく見える。
私は秋夜ちゃんの手を握りにこっと笑った。
「勿論!」