ハナノナミダ
不運
夜になり吉原の遊郭に客がぞろぞろと入る。
嫌だ嫌だと思いながらも私もお客さんの相手をしなければならない。
先程からずっとソワソワしっぱなしだ。
すると、私の前に一人の男が来た。
「へぇ、美人な遊女がいるねえ。新しく入ったやつかい。名は?」
「は、華でありんす」
慣れない口調で必死になりながら答えると、男は私の顔を見てニヤニヤする。
「…ふーん。気にきった。」
「……」
気持ち…悪い…
内心凄く嫌だったが仕方無く、私と男は行為をする部屋に向かった。
この男がとんでもない奴だとは知らずに。