ハナノナミダ








「…ん…もう…朝?」


どうやら、私は犯されたまま寝てしまったらしい。



気持ち悪い。
なんて不様だ。
泣き止むことなく泣き続けたから、目の中も周りも赤くなって
身体中へばりついたとてつもなく臭くてたまらない精液。

なんて……汚いんだ。



とりあえず私は部屋から廊下に出ることにした。
少し廊下を歩いていると、前から花霧姉さんが「お早う」と私に挨拶をしてくれたので、私も挨拶をする。




「あ、華。昨日は大変だったらしいんな。身体…大丈夫かい?」



え、なんで…




「…どうしてそんなこと知っているの?って言う顔だなぁ。まぁ…ちょっとした噂になってるけんど。
そんなことより、あさ飯出来てるから広間に集まりなんし」



私は返事をし、少し憂鬱になる足を広間に運ぶ。




「…噂…かぁ」




誰でもこんな噂をされたら良い気持ちにはならない。ハァと溜め息を吐きながら広間入ると、皆は私の顔をガン見して一言も話さなかった。





「……あんた、可笑しな世界からわっち等を殺しにきたんだって?…」




…は?



「どっかの間者かい?いやぁ…怖い怖い」





な、ど、どういう事!?
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