ハナノナミダ
鞄を持ち、いってきますの挨拶もなく私は無言で家を出た。
…あんな家早く出て、のびのびと一人暮らしをしたい。
とぼとぼとボーッとしながら道を歩いていたとき、
「…いてっ!?」
突然道端の石ころに躓き、どてんと転んでしまった。
「さ、最悪…」
身体中にずきずきと痛みが走る。
涙目になりながらも立ち上がろうとした瞬間、私の脚にまた激痛が走った。
「ちょっ!?そんなところで寝そべっていないでちょうだい!」
どうやら、おばさんに脚を踏まれたらしい。
そのおばさんは逆ギレしながら去っていった。
「………」
私の人生、いつもこんな感じ。
楽しいことなんかろくに無い。