ハナノナミダ











目の前で、熊がドンッと倒れる音が聞こえた。









…一体何がおきたのだろうか。




恐る恐る目を開けると熊の心臓辺りに刀が刺さっていて…






その刀を引き抜いたのは、どこかで見たような事のある色白な美男子。

その人の周りには数人ほど人がいる。









「チッ…ったく…手間かかせやがって」


私を助けてくれたらしい美男子の人は不機嫌そうに舌打ちをしながら言った。







「わー流石土方さんーすごーい。熊に襲われそうになった女の子を助けるなんてー。」






「…棒読みで言うな、総司。それと…俺は別に助けてやったつもりはねぇ」




「ふーん?」




美男子の人の隣にいる人は、にやにやとしながらと笑っていた。





この人達…もしかして…。


私はこの人達が言っていた言葉を見逃さなかった。




『土方さん』と『総司』



まさかとは思うけど…




「あの…」



私が控えめに口を開けると、この人達冷たい目で私を見ながらしーんと黙ってしまった。








「……その…貴方達は…新選組…ですか?」




「…」



「……」




……私の発言で完全に冷たい空気が流れてしまった。

何故、黙ったままなのだろうか。







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