ハナノナミダ
悔しさ
「はっ…!!」
布団からガバッと体を起こし目を覚ます。
周りを見渡すと、そこには、あの夜に会った人達と見知らぬ人達が六人ほどいた。
しかも…
「…泣いてる…?」
この人達は何故か泣いていた。全員ではないが…。
驚きで何をすれば良いのか分からない華は、とりあえず警戒しながらも黙り混む。
すると、ゴツそうだが雰囲気は優しそうな人が、私の目を見て涙を流しながらガシッと肩を掴んだ。
「…ちょっと、いきなりなにす…」
「そうか…そうか…ご苦労だった!君は、とても大変な思いをしていたんだな!!…っ…」
「…は…なに、いきなり…」
戸惑いを隠せない私に、聞き覚えのあるような声が私に話しかけた。
「ねぇ…君。近藤さんに向かってその口のきき方は無いんじゃない?」
まるで威嚇しているような目付きが私の体を震わせる。
「…!…」
今、近藤さんって…
「おい総司、やめておけ。」
私が驚くと同時に、圧倒する低い声が部屋に響き渡った。
なんだろう…これが世に言う『イケボ』ってやつ?
「ちょっと土方さん…邪魔しないで下さい。僕は純粋に注意したいだけですってば」
「どこがだよ」