ハナノナミダ
「とりあえず自己紹介をしよう。俺の隣にいるのが土方歳三。その隣が沖田総司。残りの三人は先程も言ったように、原田左之助、藤堂平助、永倉新八だ。
そして俺が近藤勇」
先程の私の肩を掴んだ人が、ゴホンと咳払いして話をした。
これで完全にこの人達は新選組だと確信が持てたが…
この頃は浪士組と言う名前だ。
いずれは会津藩のお預かりとなって新選組と言う組織が出来る筈だ。
けど、私があのとき土方さんに新選組と口にしてしまった以上、会津からの名を受けたときに土方さんは私を怪しむであろう。
余計なことをしてしまったと心の中で後悔した。
「おい、」
「ふ、ふぁい!?何でしょうか!?」
心臓が飛び出てしまうかと思った。
バレないように深呼吸をしながら息を整え、土方さんの方を見る。
「…話してもらおうか。お前が寝言で言っていた事を詳しくな。」
あまりにも真っ直ぐな瞳で見つめる彼に私は一瞬目を奪われそうになりつつも正気を戻し、今までの事を話すことにした。
「……はい」