ハナノナミダ
「――――――と言うことです」
私はタイムスリップや吉原のことを全て話した。
全員、複雑そうな顔をしながら頭を抱える。
やっぱり、混乱してるよね…
無理もない。
いきなり現れた女が未来から来たと言うとんでもない事を言い出せば、納得もいかない筈だ。
「そうか…。未来から来たのか。
俺達も君が言うことを全て信じているわけではないのだがな…
君が全て嘘を言っているとは見えない」
「俺も近藤さんの意見と同じだ。
しかもこの餓鬼を江戸から京迄連れてきちまったんだから、今更出ていけってのもいかねぇ…
だが、どうもこんな怪しい奴を此処におくにはよ…。」
近藤さんと土方さんの言葉に、私は何故か体が重くなったようにズシンときた。
どうすればいいのか…
「じゃあ隊士にでもなればいいんじゃないですかー?浪士組はまだ人が少ないですし、いい機会ですよ。
ね?土方さん?」
沖田さんの言葉にこの場にいる全員が驚いたが、藤堂さん、原田さん、永倉さんが次々と水を指すように賛成をし始める。
「それ、いいじゃん!な、新ぱっつぁん!」
「おうよ!」
ガヤガヤと話が盛り上がっている中、土方さんだけは浮かない顔をしているような気がしてならなかった。