ハナノナミダ
消えたい
「あんた!起きなんし!」
「……!!」
目が覚めた途端、私は息を呑んだ。
頭に複数の簪と髪飾りをつけ、綺麗な着物を着ている、いかにも『花魁』見たいな人が目の前で私を見つめていた。
「…やっと目が覚めたようでなぁ?…あんた、ずーと気を失ってて何をしても起きんかったんよ?」
「……」
「まぁ、今意識が戻ったようで何より。わっちがあんたの世話役じゃ。」
花魁のような人は、にこにこと話す。
廓言葉…と言うことはここは、
吉原?