Another moonlight
ユキがサロンで客にネイルを施していると電話が鳴った。
電話に出たミナが、ブースの入り口でユキを手招きする。
「何?」
「電話。警察から。」
「警察?」
警察に世話になるようなことは何もないはずなのにと、ユキは怪訝な顔をしながら電話に出た。
「はい、お電話変わりました。雪渡です。」
「雪渡 愛弓さんですね。実は先ほど、あなたのご自宅の前でストーカー犯を捕まえたと通報がありまして…。」
「…え?」
事情を説明され、ユキは呆然とした。
たまたま通り掛かった市民からの通報を受けて現場に駆け付けたところ、その通報者が犯人を確保して警察に引き渡したらしい。
ユキが通報者が誰なのかを尋ねても、本人の希望で名前は教えられないと言われた。
なぜ名前を伏せる理由があったのかとユキは不思議に思ったけれど、とりあえずあの気味の悪い電話や盗撮写真や手紙にもう悩まされなくていいんだと思うとホッとした。
それと同時に、犯人を捕まえたと言う連絡が自宅ではなくなぜこのサロンの電話にかかってきたのかが不思議だった。
「ところで…どうしてここに私がいることがわかったんですか?」
「ご自宅は留守のようでしたので、大家さんからお勤め先をお聞きしました。」
「そうなんですね。」
「また近々、署の方で詳しいお話をお聞きしたいと思いますので、ご連絡致します。」
「わかりました。」
電話を終えて客の元に戻ったユキは、ネイルの続きをしながら、通報者は一体誰だったんだろうと考えた。
(見ただけでストーカーってわかるくらい怪しかったのか…?)
なんにせよ、通報して犯人を捕まえてくれたその人に、お礼の一言くらいは言わないと気が済まない。
しかし警察からは通報者が誰なのかを聞き出すことは、できなさそうだ。
(とりあえず…帰ったら大家さんのところにお礼に行こう。)
電話に出たミナが、ブースの入り口でユキを手招きする。
「何?」
「電話。警察から。」
「警察?」
警察に世話になるようなことは何もないはずなのにと、ユキは怪訝な顔をしながら電話に出た。
「はい、お電話変わりました。雪渡です。」
「雪渡 愛弓さんですね。実は先ほど、あなたのご自宅の前でストーカー犯を捕まえたと通報がありまして…。」
「…え?」
事情を説明され、ユキは呆然とした。
たまたま通り掛かった市民からの通報を受けて現場に駆け付けたところ、その通報者が犯人を確保して警察に引き渡したらしい。
ユキが通報者が誰なのかを尋ねても、本人の希望で名前は教えられないと言われた。
なぜ名前を伏せる理由があったのかとユキは不思議に思ったけれど、とりあえずあの気味の悪い電話や盗撮写真や手紙にもう悩まされなくていいんだと思うとホッとした。
それと同時に、犯人を捕まえたと言う連絡が自宅ではなくなぜこのサロンの電話にかかってきたのかが不思議だった。
「ところで…どうしてここに私がいることがわかったんですか?」
「ご自宅は留守のようでしたので、大家さんからお勤め先をお聞きしました。」
「そうなんですね。」
「また近々、署の方で詳しいお話をお聞きしたいと思いますので、ご連絡致します。」
「わかりました。」
電話を終えて客の元に戻ったユキは、ネイルの続きをしながら、通報者は一体誰だったんだろうと考えた。
(見ただけでストーカーってわかるくらい怪しかったのか…?)
なんにせよ、通報して犯人を捕まえてくれたその人に、お礼の一言くらいは言わないと気が済まない。
しかし警察からは通報者が誰なのかを聞き出すことは、できなさそうだ。
(とりあえず…帰ったら大家さんのところにお礼に行こう。)