Another moonlight
あの夜カンナを自宅まで送ってから、ユキのことは忘れようと写真やアルバムを処分しようとしたけれど、仲間たちとの思い出も捨ててしまうことになると思うと、どうしてもそれができなかった。
だけどそんなものはきっと、ユキとの思い出を捨てずに残しておくための口実だとアキラは気付いている。
捨てることはできないけれど、せめてもう目につかない場所に閉じ込めてしまおうと、翌日カンナが帰った後に、職場からもらってきた段ボール箱に詰め込んだ。
そして何重にもガムテープを貼って封をしたそれを、押し入れの一番奥に押し込んだ。
こんな子供じみたことをしたところで、ユキとの思い出が心から消えるわけじゃない。
それはイヤと言うほどわかっているけれど、ユキの存在が目に見えてしまうものは、カンナの目にもアキラ自身の目にも触れないようにした方がいい。
アキラは卒業アルバムも写真も、自分の手では何ひとつ捨てられなかったのに、カンナには全部捨てたと嘘をついた。
ユキへの想いも、思い出の写真も何もかも、いつか本当に処分できる日は来るだろうか?
だけどそんなものはきっと、ユキとの思い出を捨てずに残しておくための口実だとアキラは気付いている。
捨てることはできないけれど、せめてもう目につかない場所に閉じ込めてしまおうと、翌日カンナが帰った後に、職場からもらってきた段ボール箱に詰め込んだ。
そして何重にもガムテープを貼って封をしたそれを、押し入れの一番奥に押し込んだ。
こんな子供じみたことをしたところで、ユキとの思い出が心から消えるわけじゃない。
それはイヤと言うほどわかっているけれど、ユキの存在が目に見えてしまうものは、カンナの目にもアキラ自身の目にも触れないようにした方がいい。
アキラは卒業アルバムも写真も、自分の手では何ひとつ捨てられなかったのに、カンナには全部捨てたと嘘をついた。
ユキへの想いも、思い出の写真も何もかも、いつか本当に処分できる日は来るだろうか?