Another moonlight
何かあったらすぐにユキの元に駆け付けようと、ユキとタカヒコの動向に意識を集中させていた3人は、静かに店のドアが開いて新しい客が入って来たことには気付かなかった。
その客は、入り口辺りで店内をぐるりと見渡して、カウンター席に座っているアキラの方をじっと見た。
そして、他の客がまるで視界に入っていないかのように一点を見据え、ゆらりゆらりと周りの客にぶつかりながら店の奥へと進む。
その異様な雰囲気に周りの客がざわつきだした時。
注文された酒を客に出し終えたマナブが、激しく動揺した様子で声をあげた。
「おっ、おいアキ!!あれ!!」
「最悪なタイミングだな…。」
八代は絶望的な声で呟いた。
「…えっ?カンナ?!」
出入り口に背を向けて座っているユキは、カンナの姿に気付いていない。
立ち上がってユキと向かい合っていたタカヒコが、ユキの背後に近付いてくるカンナの姿に気付いた。
カンナは無表情で大きく目を見開き、ただならぬ殺気を漂わせている。
(カンナ、オレがいるってわかっててここに来たんだろ?なのになんでオレじゃなくユキの方に…?!)
アキラはイヤな胸騒ぎを覚えて立ち上がり、人の間をすり抜けるようにしてカンナの元へと急ぐ。
タカヒコは怯えた顔をして後ずさった。
その客は、入り口辺りで店内をぐるりと見渡して、カウンター席に座っているアキラの方をじっと見た。
そして、他の客がまるで視界に入っていないかのように一点を見据え、ゆらりゆらりと周りの客にぶつかりながら店の奥へと進む。
その異様な雰囲気に周りの客がざわつきだした時。
注文された酒を客に出し終えたマナブが、激しく動揺した様子で声をあげた。
「おっ、おいアキ!!あれ!!」
「最悪なタイミングだな…。」
八代は絶望的な声で呟いた。
「…えっ?カンナ?!」
出入り口に背を向けて座っているユキは、カンナの姿に気付いていない。
立ち上がってユキと向かい合っていたタカヒコが、ユキの背後に近付いてくるカンナの姿に気付いた。
カンナは無表情で大きく目を見開き、ただならぬ殺気を漂わせている。
(カンナ、オレがいるってわかっててここに来たんだろ?なのになんでオレじゃなくユキの方に…?!)
アキラはイヤな胸騒ぎを覚えて立ち上がり、人の間をすり抜けるようにしてカンナの元へと急ぐ。
タカヒコは怯えた顔をして後ずさった。