Another moonlight
中学時代、ヤンキー仲間の間では、まるでローテーションのように誰かと誰かがくっついたり別れたりを早いペースで繰り返していたけれど、ユキはその中の誰とも付き合わなかった。
もちろん付き合おうと言う誘いがなかったわけではないけれど、誰に対しても“好きな人がいるから付き合えない”と言って断っていた。
それは確かに嘘ではなかったが、一時の気の迷いで友達を失いたくないと言う理由の方が大きかった気がする。
一度恋愛対象として付き合った人と、別れた後に友達に戻ることはできない。
それはアキラも同じだったのか、ユキはアキラが仲間内の女の子と付き合っている姿はあまり見なかったように思う。
しばらくの間、二人でお酒を飲みながら他愛ない話をした。
ほどよく酔いが回ってきた頃、ユキはサロンを出る前のことを思い出した。
「そう言えばさぁ…サロンから出る少し前にも、無言電話あったわ。」
「またか。」
「私が電話取った時ばっかり、今日だけで5回だよ。なんか見張られてるみたいで気味悪くない?」
アキラは怪訝な顔でタバコに火をつけた。
「あー…確かにな。ここまで来る時は大丈夫だったのか?」
「特に何もなかった。」
「まぁ、用心するに越したことはねぇな。迎えに来てくれるやつの一人くらい、いるんだろ?」
ユキはジントニックを飲みながら少し考える。
そんなこと、タカヒコには到底頼めそうもない。
もちろん付き合おうと言う誘いがなかったわけではないけれど、誰に対しても“好きな人がいるから付き合えない”と言って断っていた。
それは確かに嘘ではなかったが、一時の気の迷いで友達を失いたくないと言う理由の方が大きかった気がする。
一度恋愛対象として付き合った人と、別れた後に友達に戻ることはできない。
それはアキラも同じだったのか、ユキはアキラが仲間内の女の子と付き合っている姿はあまり見なかったように思う。
しばらくの間、二人でお酒を飲みながら他愛ない話をした。
ほどよく酔いが回ってきた頃、ユキはサロンを出る前のことを思い出した。
「そう言えばさぁ…サロンから出る少し前にも、無言電話あったわ。」
「またか。」
「私が電話取った時ばっかり、今日だけで5回だよ。なんか見張られてるみたいで気味悪くない?」
アキラは怪訝な顔でタバコに火をつけた。
「あー…確かにな。ここまで来る時は大丈夫だったのか?」
「特に何もなかった。」
「まぁ、用心するに越したことはねぇな。迎えに来てくれるやつの一人くらい、いるんだろ?」
ユキはジントニックを飲みながら少し考える。
そんなこと、タカヒコには到底頼めそうもない。