Another moonlight
アキラは拾い上げた写真の下に落ちていたカードのような物を手に取って絶句した。

(な…なんだこれ…?!)

愕然としているアキラを見て、ユキはうろたえる。

「アキ…どうかした?」

ユキはアキラの手元を見る。


【ずっと前から好きだった。
いつも君を見ているよ。
僕が守ってあげるからね。】


「アキ…それ、なんの冗談…?」

「オレじゃねぇっつーの!!」

「ホント…?」

「当たり前だ!見てみろ、ホラ!!」

アキラはそのカードをユキに差し出した。

「アキ、バカじゃないの……?」

「だからさっきからオレじゃねぇって言ってんだろ!!オレがこんな恥ずかしいこと書くか!写真と一緒にポストに入ってたんじゃねぇのか!!」

(言えるもんなら、とうの昔に言ってるっての!!)

ユキは眉をひそめながら目を凝らしている。

「私のことずっと見てるの…?気味悪い…。」

「ユキの後、コソコソつけ回してんだろ。悪趣味だな。」

誰がこんなことをしたのかはわからないが、警察に相談するなら証拠として残しておく必要があるので、安易に捨てるわけにはいかない。

アキラは集めた写真をユキに手渡した。

「とにかく…これ持って警察に相談に行った方がいいんじゃね?無言電話に盗撮、ここまできたら立派なストーカーだろ。」

「うーん…。警察に相談ね…。」

「一人で不安ならオレがついてってやる。」

「うん…そうだね。」

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