Another moonlight
交錯する想い
リュウトの部屋のドアを開けたアキラとユキは、信じられない光景に目を疑い絶句した。
リュウトがハルを膝の上に乗せ、優しく抱きしめてキスをしている。
ドアの開く音に気付いたリュウトとハルが、慌てて顔を離した。
ハルは顔を真っ赤にして飛び上がり、あたふたしている。
「相変わらずだな、オマエら…。入る前にノックくらいしろよ。」
リュウトはばつが悪そうな顔をして、大きなため息をついた。
「えっ…?えぇっ…?!」
ユキは激しく混乱している。
「なんだ…?!オマエら、いつの間にそんな…。」
アキラはリュウトとハルを交互に指さした。
「先に言っとくけどな…オレとハル、戸籍上は叔父と姪だけど、血は繋がってねぇから。」
リュウトは頭をかきながらタバコに火をつけた。
「そうなのか?」
「オレと姉貴、両親とも違うから血が繋がってねぇんだと。オレも二十歳の時に初めて知ったんだけどな。」
アキラとユキにとってそれも衝撃の事実だったが、やはりリュウトとハルの関係の方が気になった。
「いや…まぁ…それはわかったとしてさ…リュウとハル……デキてんのか…?」
「アキ、言葉に気を付けろよ。」
リュウトは呆れた顔をしてタバコの煙を吐き出した。
「とりあえず…ハル、部屋に戻ってろ。また後でな。」
リュウトが促すとハルは素直にうなずいて、恥ずかしそうにそそくさと部屋を出て行った。
「まぁ…そんなとこ突っ立ってねぇで上がれよ。」