Another moonlight
ユキはアキラの隣で、耳をそばだててアキラとリュウトの会話を聞いていた。
周りが騒がしい上に、二人の会話する声が小さいので全部は聞き取れなかったが、リュウトがロンドンに行く前はアユミを好きだったことと、今はハルがいて幸せだと言うことだけはわかった。
(盗み聞きなんて我ながら趣味悪いな…。)
二人の会話をこっそりと聞いてしまったことに、ユキは少しの後ろめたさを感じた。
だけどそれよりも、リュウトの心の中にはいつも自分以外の誰かがいて、1度も恋愛の対象としては見てもらえなかったのだろうと思うと悲しかった。
ユキは勢いよくジントニックを飲み干して、カウンターの中のマナブに向かってグラスを突き出した。
「マナ、おかわりちょうだい。」
ユキがタバコに火をつけると同時に、アキラのスマホが鳴った。
アキラは着信画面を見て立ち上がる。
「ちょっと電話出てくる。」
電話の相手はきっとカンナなのだろうと思いながらユキはおかわりを受け取り、また勢いよくジントニックを煽る。
「ユキ、ペース早すぎねぇか?」
リュウトがユキの飲みっぷりに驚いて声を掛けると、ユキは空いているリュウトの隣のアキラの席に座り、ジントニックを一気に飲み干して、大きく息をついた。
「オイ…大丈夫か?」
「ねぇ、リュウ…。」
「ん?なんだ?」
「なんでハルだったの?」
「なんでって…。」
思わぬことを尋ねられ、リュウトはうろたえている。
周りが騒がしい上に、二人の会話する声が小さいので全部は聞き取れなかったが、リュウトがロンドンに行く前はアユミを好きだったことと、今はハルがいて幸せだと言うことだけはわかった。
(盗み聞きなんて我ながら趣味悪いな…。)
二人の会話をこっそりと聞いてしまったことに、ユキは少しの後ろめたさを感じた。
だけどそれよりも、リュウトの心の中にはいつも自分以外の誰かがいて、1度も恋愛の対象としては見てもらえなかったのだろうと思うと悲しかった。
ユキは勢いよくジントニックを飲み干して、カウンターの中のマナブに向かってグラスを突き出した。
「マナ、おかわりちょうだい。」
ユキがタバコに火をつけると同時に、アキラのスマホが鳴った。
アキラは着信画面を見て立ち上がる。
「ちょっと電話出てくる。」
電話の相手はきっとカンナなのだろうと思いながらユキはおかわりを受け取り、また勢いよくジントニックを煽る。
「ユキ、ペース早すぎねぇか?」
リュウトがユキの飲みっぷりに驚いて声を掛けると、ユキは空いているリュウトの隣のアキラの席に座り、ジントニックを一気に飲み干して、大きく息をついた。
「オイ…大丈夫か?」
「ねぇ、リュウ…。」
「ん?なんだ?」
「なんでハルだったの?」
「なんでって…。」
思わぬことを尋ねられ、リュウトはうろたえている。