Another moonlight
「いつ見ても安定感抜群だよねぇ。案外気が合うんじゃないの?いっそのこと、付き合っちゃえば?」

「こんなデリカシーの欠片もないガキみたいなやつお断り!」

「それはこっちの台詞だ、バーカ!」

ミナはいつものように、二人のそんなやり取りを、大きな子供みたいだと思いながら笑って見ている。

「ケンカするほど仲がいいんだよねぇ…。」

二人が言い合っていると、サロンの電話が鳴った。

「はい、ネイルサロンSnow crystal……。」

電話に対応したユキが眉をしかめて受話器を置いた。

「どうした?」

「切れてた。なんか最近多いんだ、こういうの。」

「無言電話か。」

「やっぱそうなのかな?単なる間違い電話にしては多いなとは思ってたんだけど。」

「それ、ユキが電話に出た時だけじゃない?無言で切られたこと、私は一度もないけど。」

ミナの言葉を聞いて、ユキは首をかしげた。

「偶然…?」

「なんかのいたずらなのかもな。じゃ、オレ行くわ。」

「ああ、うん。またね。」

「おー。」

電話のことは少し気になったが、アキラは次の配送先に向かった。




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