Another moonlight
「オイ、ユキ…ホントにそんなんで結婚していいのか?もっとよく考えろよ!」

「いいじゃん…私が誰と結婚しようが…関係ないでしょ…。」

ユキはうつろな目をして笑った。

「ダメだこいつ…完全に酔ってる。」

「酔ってねぇっつーの…まだまだ飲んでやる…。」

そう言いながらも、ユキは頭をグラグラさせている。

「ユキちゃんが酔うなんて珍しいね。」

マナブはカウンター越しに、不思議そうにユキを見た。

「これくらい、いつもなら序の口なんだけどな…。あ、そうか。こいつ今日、あんま調子よくねぇんだ。」

「そうなのか?」

ユキは既にカウンターに突っ伏して眠っている。

アキラは呆れた様子でため息をついた。

「ユキ、最近ちょっと疲れてんだよ。オレこいつ送ってくわ。マナ、オレとユキの分つけといて。」

「わかった。」

「せっかく来てくれたのにわりぃな、トモ。リュウも、またゆっくり飲もうな。」

眠っているユキを背負うアキラを見て、リュウトとトモキとマナブはおかしそうに笑った。

「アキ…やっぱ小姑だな…。」

「いや…オヤジだろ?」

「やっぱ付き合っちゃえよ。」

「バカ言うなよ…。」

マナブのいつもの冗談は聞き慣れているはずなのに、アキラはとても複雑な気持ちになった。

(それができたらこんな思いはしてねぇんだよ…。)





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