Another moonlight
「なんか…いろいろわかった気がするわ。」

しばらく考え込んでいたアキラが、ビールを飲み干して静かに呟いた。

「何がわかったんだ?ユキの代わりなんてどこにもいないってことか?」

茶化すようなトモキの言葉に、アキラはため息をついた。

「腹立つ…けど、その通りだ。簡単にあきらめられるくらいなら、往生際悪く20年以上も友達ヅラしてそばにいねぇだろ…。」

「アキはどうしたい?謝るなら早いうちの方がいいと思うぞ。」

「謝んねぇよ。もう友達のふりなんてできねぇからな。けどやっぱ…友達でもなんでもいいから、ユキと一緒にいたい。」

トモキとマナブは顔を見合わせてニヤリと笑った。

「だったら素直になるんだな。」

トモキが笑ってアキラの肩を叩いた。

「難しいことばっか言うなよ…。」

「アキはいつまで経っても思春期の少年みたいだな。」

マナブがそう言うと、トモキは確かに、と言って笑った。

「バカにしてんのか?いい歳して成長してねぇって。」

「成長してねぇとは言ってねぇぞ?純粋に人を想えるアキが羨ましいって言ったんじゃん。な、トモ?」

「そうだなぁ。アキの初恋はまだ継続中だから、いつまでも思春期の少年みたいなんだよな。」

「オマエら…恥ずかしいことばっか言うなよ…。オレ永遠の中坊みたいじゃん…。」




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