激恋&純恋~二つのからだ~
「おい。なにしてんだよ。」
「ひっ!ス、すいません…。」
「謝る必要ねぇよ。」
体育館裏できれいな宝石みたいな石を見つけるのが好きだった自分に話しかけてきたのは、いかにも怖そうな男子。
「なにやってんの?」
「いや…石、見つけて…たの。」
「石?これか?」
差し出されてきたのは、普通の石。灰色でちょっと丸くて。
「ううん。こういうきらきらしたやつ。」
「?なくないか?」
「探せばあるよ(笑)」
見た目は怖かったけど、話してみると怖くなかった。
名前も聞かずにその日は別れたけど、後日何回か会ううちに名前や性格、いろんなことを知った。
「あの、さ。俺、体育館裏で会った時のこと忘れらんなくって、だから、、、」
「?」
「だ、だからっ!す、好きなんだよ。拒否権ナシね。」
驚いた。恋も知らなかったあたしが、家に帰ってもどこに居ても真祐のこと考えてた。それが、好きという気持ちだと知らなかったけど、言われて分かった。好きなんだって。
「う、うんっ!」
私たちは、体育館裏の出会いから恋愛へと発展していった。
彼氏彼女の関係にもなって、果林にも報告した。
すごく喜んでくれたし、果林も実は好きな人いるんだってことを知った。一年近く一緒にいたのに、恋バナ一つしていなかったのには驚いたなぁ…。
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