腕の中
「陸翔!陸翔!食べたい!」


「あぁ。すぐに用意する。」


小さすぎるが、ちゃんと欲を言えるようになってきた。


この数時間で俺らには言えるようになったんだ。


それだけでも俺は嬉しいんだ。


「はい。彩ちゃん。これがお寿司だよ?」


そう言いながら誠が重箱のフタを開ける。


「わぁすごい。お寿司ってこんなやつなんだ。ねぇ陸翔。小さなご飯の上に乗ってるのは何っていうの?これがお寿司っていうの?」


…この発言からすると魚も知らねぇのか。


「上に乗ってるのが寿司なんじゃない。これは魚だ。下の飯はシャリだ。」
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