腕の中
こんな感情初めてだ。


「誠」


「はいはいオレンジジュースねー!」


そう言って誠がそそいだオレンジジュースを受け取って、コクコクと喉を可愛く鳴らして美味そうに飲む彩香。


これから俺の屋敷に彩香がいるんだ。


そう考えるだけで気分が上がる。


「あの…」


「ん?どうした?」


突然彩香が小さな声を出し、どんなに小さい声でも彩香の声なら絶対聞き取りそうな俺の耳がそれをとらえた。


「すっごく聞きにくいんだけど…」
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