【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「紫音?」



流し台に背を向ける姿に呼びかけてみれば、ピクッと肩を震わせたのがわかって、



「どうかした?」



その声に振り返ってきた。



『何でもないですよ?』

(あ、喋った)

「じゃあ何でさっきは黙ってた?」

『……………』

(また黙るし…)

「今も変だけど……朝から微妙に継続中だよな?」

『……………』

「何だよ……俺には言えない?」

『違います!』

(!?)

「紫音?」



また呼びかけて、何気に調理台の上に視線を動かした。


そこにはトレーの上に用意されていたティーセットと……何やら黒い物体。

お菓子なんだろうけど……



「それ食ってたの?」

『え?』



自分の脇へと視線を移して、それをとらえた瞳が一瞬見開いたのがわかったから、



「だから黙ってた?」



俺はもう一度、その物体を見た。


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