【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「いえ……
モデルをされてるんですよね。応援してますってことを……」

「そっか。ありがとう」



その瞬間、一変した表情にまた驚いた。


ニコッと笑った先輩に、これが仕事の顔?なんて頭に過るほど。

"一煌暉"と"KOH"を使い分けていることが瞬時に読み取れて……もしかしたら、さっきも名前呼びをしていなかったら、初めからこうなのかもしれない。とまで思わせる。



「あの……

『煌暉くん』



私が声を再び出した時に、先輩の向こう側から先輩を呼ぶ声がした。



「紫音」

『あ……お話し中でしたか。ごめんなさい。
私、あちらで待ってますので』

「ダメ」



私の目に飛び込んできた全てに、またまた驚いた。


気づかいからか、立ち去ろうとした彼女を引き止めた先輩。

その彼女を瞳に映した途端に、また表情が変わっていて……さっきの仕事の顔とは違う、甘い表情を彼女に向けている。

そして、その彼女の容姿とその身から出る物腰にも驚いて…



「ここにいろ」

『でも……』



命令するような……それでいて、甘えるような口調にも驚いた。


< 136 / 139 >

この作品をシェア

pagetop