【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「よかったな」

と俺が言えば、

『煌暉くんありがとう』

と紫音が返す。


きっとそれはいろんな意味が含まれているに違いない。
もちろん俺が言った言葉も。

自分では計り知れないことを、第三者からの指摘で知ることが出来た。


俺はちゃんと“光”であり続けていられているんだと。


俺にとって紫音が原動力であるように、
俺が紫音にとってもそうであるように……


これからも、


俺の傍らには紫音がいてくれて、
紫音の傍らには俺がいれることを、


俺は願わずにはいられなかった。


*


「そうだ。さっきの話の続きだけど……」
『はい』
「ドレス。いつ行く?俺としては早い方がいいし、気に入ってる店とかあんの?」
『うーーん……』
「どうかした?」
『いえ……実は私のドレス、オーダーメイドなんです。
私好みのぴったりのサイズがなかなか無くて、叔母様が特別に用意してくれてるんです』
「そうなんだ。…ちなみにサイズって7号とか?」
『そうですね。普通は5か7ですね。でもそれだとキツくて』

俺が何気なしに聞いたことに、紫音も何気なしに答えるから…

「キツい?」

俺はまた何気なしに聞き返した。

そのことをすぐに後悔することになるなんて………

おもむろに紫音の両手のひらが持ち上げられて、それが辿り着いた先。

自分の胸の膨らみにそれはあてられて、

『そのサイズの“D”はなかなか無いんですよね』

と困ったような口調でつぶやいた。

「…………………」

紫音の行動と返答に絶句した俺。

そもそも紫音が今着ているドレスを見れば一目瞭然のことなのに、迂闊にも俺は聞いてしまい、しかも当の本人は困っていることにやっぱり意識がいっていて、自分のその行動や言動に気がついていない様子で……ギュッとそこを握りしめている。

そんな紫音が俺と目を合わせてきたかと思えば、

『だから煌暉くんのせっかくのお申し出はお断りしてもいいですか?』

と苦笑しながらも、申し訳なさそうにそう言った。




"神様追加です………マジで俺の彼女、どうにかして下さい"




どこまでも超鈍感天然紫音に俺の理性は崩壊寸前です。




心中有言実行。

残り14ヶ月……


"もつのか……俺…"

"ガンバレ!"






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