【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
小話~ある日の放課後~響①
「あ、彼氏来たね。じゃあまたね、紫音ちゃん」
「紫音ちゃんバイバイ」
『はい。さようなら』
待ち合わせの場所にいた紫音と見知らぬ男子生徒が二人。
そのネクタイの色とライン色からわかった高等部の3年。
紫音に笑顔でそう言った二人に、同じような笑みで返した紫音。
「何してた?」
『何って…お話しを』
「………ちょっとこっち来て」
俺はそう言うと、紫音の手を掴んで歩き出した。
待ち合わせをしていた場所から少し離れた校舎裏に連れて来ると、
ドンッ
俺は紫音を壁際に追いつめ、その背にあった壁に勢いよく手のひらを押しつけた。
『へ?』
俺を見上げてくる紫音の瞳と、その紫音を見下ろす俺の瞳が交わり、
「いつからヤローに名前で呼ばせてんの?」
とその瞳を射抜くように見つめ、問いかけた。
『名前……』
「“紫音”って」
『皆さんそう呼んで下さるように……んっ』
俺は嬉しそうに答える紫音の言葉を遮り、音が漏れ出たそこを塞いだ。
小さなリップ音。
「紫音は俺のだろ。
俺が紫音の名前を呼んだら嬉しい?」
俺のその言葉にフッと微笑んだ紫音がうつむいたかと思うと、そのまま俺の胸元にトンっと額を預けてきた。
『煌暉くんが呼ぶ声しか“心”は聞こえません』
そう言ってくれたからってわけじゃないけど…
「紫音…好き」
俺が囁いた声は、そこに甘く響いただろうか。
「紫音ちゃんバイバイ」
『はい。さようなら』
待ち合わせの場所にいた紫音と見知らぬ男子生徒が二人。
そのネクタイの色とライン色からわかった高等部の3年。
紫音に笑顔でそう言った二人に、同じような笑みで返した紫音。
「何してた?」
『何って…お話しを』
「………ちょっとこっち来て」
俺はそう言うと、紫音の手を掴んで歩き出した。
待ち合わせをしていた場所から少し離れた校舎裏に連れて来ると、
ドンッ
俺は紫音を壁際に追いつめ、その背にあった壁に勢いよく手のひらを押しつけた。
『へ?』
俺を見上げてくる紫音の瞳と、その紫音を見下ろす俺の瞳が交わり、
「いつからヤローに名前で呼ばせてんの?」
とその瞳を射抜くように見つめ、問いかけた。
『名前……』
「“紫音”って」
『皆さんそう呼んで下さるように……んっ』
俺は嬉しそうに答える紫音の言葉を遮り、音が漏れ出たそこを塞いだ。
小さなリップ音。
「紫音は俺のだろ。
俺が紫音の名前を呼んだら嬉しい?」
俺のその言葉にフッと微笑んだ紫音がうつむいたかと思うと、そのまま俺の胸元にトンっと額を預けてきた。
『煌暉くんが呼ぶ声しか“心”は聞こえません』
そう言ってくれたからってわけじゃないけど…
「紫音…好き」
俺が囁いた声は、そこに甘く響いただろうか。