【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
たぶん、自分以外とのことを考えてしまったんだろうか。
憶測だけど、その嫉妬した様子が可愛くて、嬉しくて、

「俺がキスした相手は“紫音だけ”だよ」

俺は新たなカミングアウトを始めた。

『え?』
「いろいろあったけど、キスは紫音としかしてねぇ」
『……………』
「俺の“バロメーター”だったからな。
“愛しく思える女”にしか“したくない”って」
『……………それが……私?』
「他に誰がいんの?」

俺の発言が意外だったのか驚きの様子に変わった紫音に笑みが漏れる。

俺は机についていた頬杖を解き、座っていた場所から立ち上がってソファーに座っていた紫音の隣へと座り直した。そしてそのまま、


「マジで好き。この感情も紫音だけ」


もう何度となく伝えてきた言葉を告白しながら紫音の顎に指をかけて、その唇へそっと口づけた。

俺にしては珍しくすぐにそこを解放して、

「わかった?」

と微笑みまで向ける。

『は……い…』

紫音の声にならない声が聞こえて愛しさが増した俺はその身体を抱きしめた。
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