【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
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いつもより長居していたカフェを出ると、外は日も落ち、辺りはすっかり暗くなっていた。
そしてそのなか煌暉くんが、私を自宅マンションまで送り届けてくれていた。
「紫音」
『はい』
「ちょっと寄ってい?」
そのマンションの敷地内に入ったところで、煌暉くんがイングリッシュガーデンの方を見ながら私へ問いかけてきた。
『いいですよ』
私はもちろん断る理由なんかなくて、そう答える。
二人で手をつないだまま、今朝も待ち合わせたガゼボにまた入った。
「座って?」
『はい。……どうかしましたか?』
「寒いのにごめんな」
『寒くないですよ。ね?』
私を誘導した煌暉くんがつないでいた手を離していたから、私は煌暉くんの手のひらに自分の手のひらをまた重ねてそう返事した。
「紫音は俺を喜ばすのに長(た)けてるよな」
私をまっすぐに見つめて腰を屈ませた煌暉くんが、そのままそっと私の唇に触れてきた。
すぐに離れた熱だったけど、もう一つの熱は重なったままで、それを握り直した煌暉くんが私の横へ腰を下ろした。
「もう一つ紫音に渡したいものがあってさ。……これ」
いつもより長居していたカフェを出ると、外は日も落ち、辺りはすっかり暗くなっていた。
そしてそのなか煌暉くんが、私を自宅マンションまで送り届けてくれていた。
「紫音」
『はい』
「ちょっと寄ってい?」
そのマンションの敷地内に入ったところで、煌暉くんがイングリッシュガーデンの方を見ながら私へ問いかけてきた。
『いいですよ』
私はもちろん断る理由なんかなくて、そう答える。
二人で手をつないだまま、今朝も待ち合わせたガゼボにまた入った。
「座って?」
『はい。……どうかしましたか?』
「寒いのにごめんな」
『寒くないですよ。ね?』
私を誘導した煌暉くんがつないでいた手を離していたから、私は煌暉くんの手のひらに自分の手のひらをまた重ねてそう返事した。
「紫音は俺を喜ばすのに長(た)けてるよな」
私をまっすぐに見つめて腰を屈ませた煌暉くんが、そのままそっと私の唇に触れてきた。
すぐに離れた熱だったけど、もう一つの熱は重なったままで、それを握り直した煌暉くんが私の横へ腰を下ろした。
「もう一つ紫音に渡したいものがあってさ。……これ」