【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「“まだ”って………まぁお前にとったら“まだ”でよかったのかもな。
未遂じゃなかったら、女でも許さねぇし」
俺の言葉に理解が追いついてきたのか、少し様子の変わった女。それでもまだ完全じゃないそれが、女を引き下がらせなかった。
「どういうこと?そのコは私より下でしょ?」
「は?お前バカなの?察しのいい女は、あの電話の時点ですぐわかってたけど」
「わかってるわよ。だからこのコに自分の立場をわからせてあげてたんじゃない。私は半年も待ってあげてたのよ」
「わからせる?何言ってんの、お前。
しかも半年が聞いて呆れるわ。その間他でヤってたんだろうが。それを都合よく言ってんじゃねぇ。
そんなんだから何もわかんねぇんだよ」
「え…………」
俺のこれまで以上に低く響いた怒声に、目の前にいた女が怯んだことがわかって、
「“わからせる”っていうのは、こういうことを言うんだよ」
俺は吐き捨てるように言ったあと、紫音に視線を向けてその身体を抱き寄せた。