【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
『………でも、私なんかに言えないことだって、やっぱりありますよね……ごめんなさい……』
言いながらに伏せられていく瞼とそれを縁取る長いまつ毛が目元に影を作り出して、発する声もだんだんと小さくなり、謝りの言葉が漏れたあと、隠された瞳。
閉じた瞼の下で何を考えているのか……
自分のことを“なんか”と言って謝った紫音に胸が締めつけられた。
そんな顔をさせたいわけじゃないのに、
自分を貶(オトシ)める言い方だってさせたくないのに……
だけど、俺の行動や言動の一つ一つが紫音を作り出しているのかもしれないと感じて、愛しさが募り、もっと俺でいっぱいになればいいと即座に願ってしまう。
「んなことねぇ。俺の言い方が悪かった。
今のは俺が紫音を求めたことから逆算出来た可能性のことで、そのことを“利用”って言ったんだ」
俺のその言葉で紫音が閉じていた瞼を開き、また俺を見上げてくる。
だげど、
『逆算?』
またそう聞き返されて、俺はまた自分の発言が適切でなかったことに溜息が胸の内で漏れた。
"ハァ………何なの…俺。テンパりすぎじゃね?"
この期に及んでまだ隠そうてしている自分にボロが出ていることがわかった。
「……………」
これ以上何か言うと、もっとそれが出そうで声が出ない。
だけど、その俺を見つめてくる紫音の瞳と紫音を見つめ続けていた俺の瞳が絡んだままでいることが、俺の中に常にある思いと想いを溢れさせようとしていた。
うっかり使った二つの言葉がその引き金になるなんて……
全てをさらけ出せ。
さらけ出すのはまだ早い。
という声が頭の中に響いてきて、その二つがせめぎ合い出した。
たとえどちらを選択しても、残るのは苦しさで、押しつけと抑制のどちらかが俺を支配するんだろう。
言いながらに伏せられていく瞼とそれを縁取る長いまつ毛が目元に影を作り出して、発する声もだんだんと小さくなり、謝りの言葉が漏れたあと、隠された瞳。
閉じた瞼の下で何を考えているのか……
自分のことを“なんか”と言って謝った紫音に胸が締めつけられた。
そんな顔をさせたいわけじゃないのに、
自分を貶(オトシ)める言い方だってさせたくないのに……
だけど、俺の行動や言動の一つ一つが紫音を作り出しているのかもしれないと感じて、愛しさが募り、もっと俺でいっぱいになればいいと即座に願ってしまう。
「んなことねぇ。俺の言い方が悪かった。
今のは俺が紫音を求めたことから逆算出来た可能性のことで、そのことを“利用”って言ったんだ」
俺のその言葉で紫音が閉じていた瞼を開き、また俺を見上げてくる。
だげど、
『逆算?』
またそう聞き返されて、俺はまた自分の発言が適切でなかったことに溜息が胸の内で漏れた。
"ハァ………何なの…俺。テンパりすぎじゃね?"
この期に及んでまだ隠そうてしている自分にボロが出ていることがわかった。
「……………」
これ以上何か言うと、もっとそれが出そうで声が出ない。
だけど、その俺を見つめてくる紫音の瞳と紫音を見つめ続けていた俺の瞳が絡んだままでいることが、俺の中に常にある思いと想いを溢れさせようとしていた。
うっかり使った二つの言葉がその引き金になるなんて……
全てをさらけ出せ。
さらけ出すのはまだ早い。
という声が頭の中に響いてきて、その二つがせめぎ合い出した。
たとえどちらを選択しても、残るのは苦しさで、押しつけと抑制のどちらかが俺を支配するんだろう。