【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
『じゃあ煌暉くんのお家に行きたいです』

そう望む紫音の思考が読めない。

別れ話なら別に俺の家にこだわらなくても………

でもそれが俺を気づかう紫音の優しさなら?

もう一つの可能性も過るけど、この状況で今以上の関係を望んでいるとは思えない。

だけど“二人きり”と言われたことが、やっぱり俺をその二つの可能性から抜け出せなくさせていた。

「わかった。けど、タクシー使うよ」

俺はこのどっちつかずなことの答えを見い出すべく、たとえここから家まで歩いて15分弱の距離だったとしても、
それを急ぎ求め、紫音へそう告げたあとタクシー乗り場に向かった。


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