【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
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家に着き、俺の部屋に紫音を入れてから、俺は今キッチンに立っている。
何をどう切り出したらいいのかがわからなくて、とりあえず、冷えている身体を早急に温めようと、温かい飲み物を用意していた。
カップにお湯を注いだことで香り立つ、紫音お気に入りのショコラミルクと、サーバーから沸き立つ俺用のコーヒーの香りが俺の鼻に届いてくる。
二つのカップをトレーに乗せて、俺は紫音の待つ自室へと向かい、そのドアを開いた。
視界に入ったのはいつもの場所に腰を下ろしていた紫音で、その見慣れているはずの光景がなぜかこの時新鮮なことのように思えた。
"ヤバい………緊張する"
そう思ったことが、初めて紫音を自室へ招いた時のことを思い出させていた。
「これ飲んで、温まって……」
俺はそんな感覚を抱きながら、カップを紫音へ差し出した。
『ありがとうございます』
「ん」
お礼の言葉に短く返事をして、俺はいつもの場所ではなく、紫音と向かい合う形で腰を下ろした。
『どうしてそっちに?』
「え?だって話あるんだろ?」
俺の行動が意外とでも言いたげに、まっすぐ見つめてくる。
『それでもそこじゃダメです。いつもみたいに傍に来て下さい』
「……………」
そう言われて俺は無言で立ち上がり、紫音の隣へと座り直した。
「これでいい?」
『はい』
覗き込むようにして聞いた俺に、視線を合わせて紫音は返事すると、
『先程はありがとうございました』
と言葉を続けた。
家に着き、俺の部屋に紫音を入れてから、俺は今キッチンに立っている。
何をどう切り出したらいいのかがわからなくて、とりあえず、冷えている身体を早急に温めようと、温かい飲み物を用意していた。
カップにお湯を注いだことで香り立つ、紫音お気に入りのショコラミルクと、サーバーから沸き立つ俺用のコーヒーの香りが俺の鼻に届いてくる。
二つのカップをトレーに乗せて、俺は紫音の待つ自室へと向かい、そのドアを開いた。
視界に入ったのはいつもの場所に腰を下ろしていた紫音で、その見慣れているはずの光景がなぜかこの時新鮮なことのように思えた。
"ヤバい………緊張する"
そう思ったことが、初めて紫音を自室へ招いた時のことを思い出させていた。
「これ飲んで、温まって……」
俺はそんな感覚を抱きながら、カップを紫音へ差し出した。
『ありがとうございます』
「ん」
お礼の言葉に短く返事をして、俺はいつもの場所ではなく、紫音と向かい合う形で腰を下ろした。
『どうしてそっちに?』
「え?だって話あるんだろ?」
俺の行動が意外とでも言いたげに、まっすぐ見つめてくる。
『それでもそこじゃダメです。いつもみたいに傍に来て下さい』
「……………」
そう言われて俺は無言で立ち上がり、紫音の隣へと座り直した。
「これでいい?」
『はい』
覗き込むようにして聞いた俺に、視線を合わせて紫音は返事すると、
『先程はありがとうございました』
と言葉を続けた。