【Berry's Cafe版】やっぱり君にはかなわない〜花と光と奏でSS
「紫音、何食ってんの?」



俺は少しの時間差でリビングに入ると、既にキッチンにいた紫音へ近づいた。

そこで紫音が何かを食べていることに気づいて、それを何気に問いかけてみたら…



『チョコレート』

「………………」

(何か………変?)

『美味しいよ。煌暉くんも食べる?』

(!!)



紫音へ今感じた違和感が、瞬時に確信につながった。



「母さん何食わせた!?」

「え?何って……チョコレートよ。
紫音ちゃんも、今言ったじゃない」

「それって…」

「ん?"KOH"への何でかホワイトデー?の編集からのプレゼント」



紫音がまたそれを口に含むのが俺の視界に入った。



「紫音ダメ!出して!」

「何言ってんの?煌暉」

「それ。酒入りだろ!?」



以前に紫音へ感じたことが、まんざら外れてはいなかったと、いつもと様子の違う紫音から読み取れる。


< 89 / 139 >

この作品をシェア

pagetop