ice-cold
「…美沙、行くぞ…」

「う…うん!」

蒼くんが不思議そうにわたしの顔を見ていた。
絶対バレた。わたしはそう思った。

「今の男の子わたしの学校の子なの…」

「!?…バレたらまずいか?」

「…わからない…また…前の学校みたいになるのが…怖い…」

彼はしばらく黙っていた。
そしてあるところに着いた。そこは…

「星の空間?」

大きな建物がわたし達の前に立っていて、
入り口のところには『星の空間』と書かれていた。

「入ろ」

彼はわたしの手を引っ張っていった。

そして中に入ってみると、
映画館のようなイスがずらりと並んでいて人もすごく多かった。

「座って」

彼がわたしの隣に座った。
すると急に視界が暗くなった。

「何これ…」

「静かに」

彼がそう言うと次の瞬間天井一面に星空が広がった。







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