夫婦・・として
☆☆駄目かな?
それから、結斗と鈴華は
外に出掛けて行った。
暁斗と瞳子は、リビングのソファに
腰かけて、庭をみながら話しをした。
「凄く、落ち着く空間に
作ってますね。
うちは、普通のマンションなので
家も、いいなぁ
と、思いましたよ。」
「うふふっ、ありがとうございます。
どうせ、建てるならと
少し、凝ってしまいました。
佐原さんの奥さまは、
どんな方だったのですか?」
と、瞳子が言うと
暁斗は、少し寂しそうにして
「結斗は、結斗君で
神原先生は、仁。
俺だけ、佐原さんなんですね。」
と、言うから
「あっ、えっ、
では、暁斗さんで
宜しいですか?」
と、瞳子が慌てて言うと
「はっ、はいっ、無理言ってすみません。」
「クスッ、無理ではありませんよ。
では、私も瞳子でお願いします。
ああ、敬語もやめましょう。」
「わかりました。瞳子さん。
では、敬語も辞めるよ。」
「うん、名前の“さん”は、
いづれ外れると。」
「妻の亜紀は、大学の同級生で
同じ教育学部だった。
だが、彼女は小学校の先生になりたくて
俺とは少し違っていた。
俺は、無愛想で
人と接する事が苦手で
でも、図書館でよく一緒になる
亜紀と話すようになって行った。
付き合いだしたのも大学3年の時で
俺が、大学の教授になった時に
結婚を申し込んで
それから、直ぐに結斗が出来て
亜紀は、産休や育休を取ってから
また、小学校に復帰したんだ。
結斗は、両家の祖母達が、
みてくれたりしていた。
優しくて、料理も上手な女性だった。
瞳子さんの旦那さんは?」
「そうね。
忠臣は、お義父さんと
同じ内科医を目指していて
患者さんに寄り添う
素晴らしい医師で
私の良き理解者で、鈴華と私を
大切にしてくれる人だった。
私は、彼の異変にまったく
気づかなかったの。
私は、妻としても、医師としても
失格なんだと思う。」
と、言うから
「そんなことない。
瞳子さんは、立派な医師だよ。
瞳子さんの笑顔は、慈愛に満ちていて
すべての人を幸せにするよ。」
と、言うから
「はじめて、そんな事言われた。
慈愛にみちているとか、
ありがとう。
私もあなた、暁斗さんの笑顔が好きよ。」
と、言うと
「あっ、えっ、好き?」
「えっと、笑顔の話し‥‥ね。」
「笑顔だけ?残念。」
「もぅ、そんなことないけど、意地悪ね。」
「俺も、何度も否定してきたけど
瞳子さんに他の男性が絡むと、
イライラしたり、モヤモヤしたり
きっと、誰にも貴女を瞳子を
渡したくないんだ、と思う。
出会ったばかりだけど
好きになったみたいなんだ
こんな無愛想の奴だけどダメかな。」
と、言った。