夫婦・・として
☆☆なぜ·····
明け方、瞳子が目をさますと
目の前には、たくましい胸板があった。
‥‥暁斗‥‥
瞳子は、そっと寄り添い
暁斗の胸に、自分の頬をつけると
暁斗の腕が、ギュッとしまり
瞳子を抱き寄せた。
幸せだなぁ・・と、思っていると
「······う‥‥ん·····
······どうした·····亜紀······」
と、言って再び、暁斗は眠りについた。
な·····っ····ぜ····?······
どうして?·····亜紀さん····なの·····
この人の中には····
やはり·····亜紀さん····しか··ないんだ····
私はっ····私は···
亜紀··さん····じゃ··ない!!!
瞳子は、打ちのめされた気持ちになった。
初めて、身体を繋げた日に
名前を間違われるなんて
·······亜紀·····さん·····
瞳子は、暁斗の腕から
そっと抜け出し
シャワーを浴び着替えてから
旅館を後にした。
暁斗の頭元に、
『病院からの呼び出しあり』
と、メモを残して······
しばらく、冷静になりたかった。
今は、暁斗と一緒にいることには
絶えられない。
一緒にいたら、何を言うか
自分でも、自信がなかったから。
タクシーに乗り込み
近くの駅で降りて
忠臣のお墓参りにいき
忠臣と話してから帰宅した。
鈴華は、びっくりした顔を
していたが
病院からの呼び出しと言った手前
着替えて家を後にした。
病院の近くの公園のベンチに
座っていると
携帯が振るえる······暁斗だ。
でることは·····出来ず·····
その後も······
ぼぉーと、公園の緑をみていると
「‥‥‥瞳‥子····?···」
と、呼ばれて顔を向けると
·······仁·······
あの日から、ずっとあってなかった
仁‥‥だった······