夫婦・・として
☆☆幸せに
鈴華は、結斗に背を向けて
ベッドの端に腰掛けながら‥‥‥
「ごめんね、結斗!
あんないい方するつもりでは
なかったのに。
お父さんを怒らせちゃった。」
と、言うと
「鈴華は、何も悪いこと言ってない。
俺こそ、ごめん。
親父が、瞳子さんの事をあんな風に
言って。」
と、言いながら
ベッドから起きあがり
怪我をしていない方の手で
鈴華を後ろから抱き締めた。
鈴華は、結斗の手に自分の手を
重ねながら
うんうん、と首を横に振った。
「でも、結斗!
もう、むちゃしないでよ。
ずっと、そばにいて欲しいんだから。」
「それ、逆プロポーズみたいだよ。クスッ」
「もう、すぐにちゃかす。
知らないからね、帰っちゃおう。」
「ああっ、うそ、うそ。
本当に、心配かけてごめん。
鈴華、好きだよ。
大学をでたら結婚しよう。
俺も、ずっとそばにいてほしい。」
と、言った。
「もちろん!
私も結斗が大好き、
いつまでも一緒にいようね。
でも、結斗のお父さんには、
嫌われたよね。」
と、言うと
「親父は、関係ないよ。
俺が、鈴華じゃないと
嫌なんだから。
鈴華は、親父とも
うまくやって行きたいんだろうけど。」
「うん、出来たら
皆で、笑いながら
過ごしたいよね。
ダメかな」
「まぁな。ただ、親父は、
お袋にしか興味がないから。
ある意味、凄いんだけど。
母さんも幸せそうだったし。」
「そうね、あんなイケメンなお父さんに
溺愛されて、幸せだったんでしょうね。
そんな人を失ったのだから
お父さんの気持ちも
わかるような気もする。
だけど、うちのパパとママも、
とても仲の良い夫婦だったんだ。
だから、ママはパパの体調の変化に
気付かなかった自分を、
責めていたんだ。
でも、ママは、私のため
患者さんの為に気持ちを
切り替えるしかなかったから。」
「そこが、瞳子さんの凄い所だよ。
忠臣さんの葬儀の時、気丈過ぎて
心配だったんだ。
だから、瞳子さんにも
幸せになって欲しい。」
と、言うと鈴華は
「うん、ありがとう。」
と、言った。