虚空を眺めて
「なんだ? メイドカフェを偏見しているんじゃないか?」

それは190と言う巨体を持ち。
大人の雰囲気を持った―――犬山五郎だった。
そんな犬山五郎に対し、周りは冷たい視線を向けていた。
特に女子からは、完璧に白い目で見られていた。

「お前がメイドカフェを推薦するとは、思わなかったからな―――」

「意外だったか?」

月彦の言葉にキョトンとした表情を浮かべる五郎。
見たこともない五郎の表情だ。

「意外だよ・・・お前がまさかなぁ・・・」

その時だ。

「演劇!!」

甲高い女の声が響いた。
優子がバッと手を高々とあげていた。

「メイドカフェに演劇―――個性があっていいと思うぞ! 先生は!」

その言葉にえぇ、と言う言葉の波が出来る。
月彦もその一人だった。

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