野球部のキミと、吹奏楽部のワタシ。
キミと初めて話したのは中学2年の春。

同じクラスになって、席が隣になって。

こんなに輝いてる人、初めて見た。

そう思った。

席替えしてすぐ、一言も喋らなかった。

緊張した。いつも皆の中心にいる男の子

だから、なにを話せばいいのか

わからなくて。

でもそんなとき、ワタシの幼なじみが、

映画の話をした。

ワタシの大好きな映画だった。

キミもその映画が、好きだったんだね。

その時、キミと目が合った。

「この映画、好きなんだ?」

「う、うん」

「へへっ、オレも。」

「そ、そーなんだ。」

「名前なんて言うの?って、

 知ってるけど」


どうしてワタシの名前、知ってるの?

ワタシのこと、ちょっとは見てくれてた?

ワタシはね、もう、キミが、大好きだよ。
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