冷たい王子とチビな私
『...ッ!!!なにして...』

竜斗くんが、すぐさま私達を引きはなした。 守くんは、竜斗くんと目があうとふっと笑った。

「あーあ。きちゃった。」

息を整えていた私の頭を抱き抱えるとつまらなそうにいった。

「...っ。は、はぁっ。は、」

私はずっと呼吸をとめていたから、からだに入ってきた酸素を必死にうけとめている。

『はなせっ!』

そんな最中2人に抱きしめられ私を奪い合っている。女としては喜ばしいんだろうけど、息をするのに必死でそんなことおもえず、

「...はっ、、は、、2人とも、はなしてっ!!」

2人から、離れて通路にでた。

「...あ、ひめっ!」

守くんが私の、手を掴んだ。
すぐに、さっきの彼行動を思い出した。

「いやっ!」

彼の手を思いっきりはらった。
怖い。私はこの人に力では勝てないとさっき知ったばかりだった。
かすかにふるえていると、竜斗くんと怒鳴り声がいきなりきこえてきた。

『てめぇっ、人の彼女になにしてくれてんだよ!』

普段滅多に怒鳴ることなどしない竜斗くんが今は守くんの胸ぐらをつかんで怒鳴っている。
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