冷たい王子とチビな私
消毒
竜斗くんは、無言のままズンズン前にすすんでいく。
私は、彼に合わせるのが必死で、息があがりはじめていた。
「...はっ...どこいくの?..はぁ....」
これが、帰宅部の体力だと言わんばかりの息遣いで彼にたずねると、彼はぴたっとカラオケの前で立ちどまった。
『...ーーー。ーーーーで、ーーー。』
竜斗くんはざっと受付をすませると、部屋番号の鍵をもってあるきはじてた。
ガチャっ
ドアをあけて、すぐの事だった。
ドンッ。
乱暴にドアを即座にしめて、私の腕を持つ手に力をいれた。
「...い、...たい」
思わず声にだしてしまう。
それくらい力強く握られていた。
『...』
竜斗くんは無言のままひとことも喋ろうとしない。
「な、なんで...カラオケに...」
私が恐る恐る聞いてみる。
ドサッ
「え?」
彼が私をソファに押し倒して言った。
『...なんでって...誰にも邪魔されないし、防音だからな。』