オオカミ御曹司に捕獲されました
俺達のやり取りを少し離れた席から江口さんが見ていて、俺は苦笑した。

江口さんに監視されてる気分だ。

今日は大人しくしてますよ。

俺は江口さんに冷ややかな視線を送ると、マカロンをパクリと口にする。

水色のマカロンは爽やかなチョコミントの味がしたが、今の俺には少し物足りない。

もっと甘さが欲しい。

梨花が淹れてくれたコーヒーを口に運ぶと、まろやかな味にホッと心が癒された。

斜め前の席の梨花に目をやれば、彼女はピンクのマカロンをつまんで嬉しそうに眺めている。

お菓子に向かってあんな幸せそうに微笑むのか。

女の子って可愛いんだな。

普段あまり使わないチャットで、梨花にお礼の言葉を伝える。
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