オオカミ御曹司に捕獲されました
「あ~、ホッとする」

次はお漬け物食べよう。

タッパーを開けて、我が家自家製のナスの漬け物を箸でつまんでパクリ。

おっ、良かった。

今日のは美味しく出来てる。

また漬け物に手を伸ばそうとすると、不意に初老の男性の声がした。

「ほお、美味しそうな漬け物だね」

「良かったら、どうですか?」

顔を上げ、タッパーを差し出しながらそう声をかける。

でも、目の前にいたのは……。

しゃ……しゃ……社長‼

予想外の人物に驚いて目を丸くする。

その辺にいるサラリーマンのおじさんかと思ったのに、気さくに応えた事を酷く後悔した。
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