オオカミ御曹司に捕獲されました
「ずっとビルの中にいるのは窮屈でな。たまにはいいだろう?社長だって気分転換は必要だ」

「気分転換に五十嵐梨花に接触したと?」

俺は冷ややかな目で親父に突っ込む。

「何の事かな?」

親父はにこりとしながら惚けた。

「彼女が作ったおにぎり食べましたよね?」

俺はじと目で親父を見据える。

「ああ、思い出した。あれは旨かった。ナスの漬け物も絶品でな」

……この古だぬき、話を逸らそうとしてるだろ?

「食べ物の味とか聞いてるんじゃないです。人のものにちょっかいを出すなって言ってるんですよ」

人を尾行までしといて……。

何を考えてるんだ、この人は?
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