オオカミ御曹司に捕獲されました
「まだお前のものじゃないだろうに」

フフンと親父が鼻で笑う。

「それは時間の問題ですよ」

内心親父のその態度に苛っとしたが、俺は余裕の笑みを浮かべてみせる。

だが、親父はそんな俺を馬鹿にするように口角を上げた。

「あの子は手強いぞ。欲のない子でな。お前の武器は通用しないだろう」

親父の台詞に俺は片眉を上げた。

「個人的に梨花の事を知ってるんですか?」

親父の言ってる事は当たっている。

俺が優しく口説いても、梨花は逆に警戒心を抱いて俺から離れようとする。

洋服を買っても喜ばないし……。
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