オオカミ御曹司に捕獲されました

「それ聞いても全然嬉しくないんだけど。お兄さん、いつになったらこのゲームに飽きると思う？」

妹の詩織ちゃんなら、杉本君を知り尽くしている。

だから、聞いてみたのだが、返ってきた答えは気が重くなるものだった。

「お兄様は中途半端な事は嫌いなんですの。それに、終わりはないかもしれませんわね。お兄様、本気なんですもの」

詩織ちゃんは私の目を見て楽しげに微笑む。

……本気で遊んでるってこと？

そんなの嫌だ。

誰か他の人にターゲット変えてくれないだろうか？

私がもっとつまらない人間だってアピールすればいい？

私は「う～ん」っと唸った。

「その反応。お兄様には新鮮なんですわ、きっと。お兄様の周りにいた女性ってクズばっかりでしたもの」

詩織ちゃんが顔は笑顔なのに、彼女に似つかわしくない言葉をさらっと口にする。